Introduction
風に揺れる赤、桃、白などの花が、秋らしい景色をつくるコスモス。
花壇や庭はもちろん、畑の一角や休耕地、広い空き地の景観づくりにも利用されています。
なかでも「センセーション混合」は、大輪の花を咲かせ、根張りがよく、比較的丈夫で育てやすい代表的なコスモスです。
この記事では、コスモスの種まき時期、直まきの方法、きれいに咲かせるための管理、広い場所へまく際の注意点を順番に解説します。
コスモス「センセーション混合」とは
センセーション混合は、赤、桃、白などの花色を楽しめる早咲きタイプのコスモスです。
サカタのタネでは、花径約8cm、草丈約100cmの大輪品種として紹介されています。根張りがよく、丈夫で作りやすいため、花壇や切り花だけでなく、広い場所を彩る景観植物としても利用されています。
気温などの栽培条件によって前後しますが、種まきから約70~80日で開花します。
秋に咲かせたい場合は、咲かせたい時期から逆算して種をまくことがポイントです。
コスモスの種まき時期
コスモス「センセーション混合」は、花壇や畑へ直接種をまく直まきで育てられます。
発芽に適した温度は20℃前後です。気温や地温が低い時期にまくと、発芽まで時間がかかったり、発芽が揃わなかったりすることがあります。
種まき時期の目安は、次のとおりです。
冷涼地
5~7月頃
中間地・暖地
4~8月頃
ただし、露地へ直まきする場合は、遅霜の心配が少なくなり、地温が十分に上がってからまくと発芽が安定します。
また、遅い時期にまくと、霜が降りるまでに十分に開花しなかったり、花数が少なくなったりすることがあります。地域、標高、その年の気温、咲かせたい時期を考慮し、商品袋に記載されたまき時も確認してください。
秋に咲かせるには、いつ種をまく?
センセーション混合は、種まきから約60~90日で開花する早咲き品種です。
そのため、おおよその開花希望日から2か月~3か月ほど前を目安に種をまきます。
例えば、9月下旬から10月頃に花を楽しみたい場合は、7月頃の種まきが一つの目安になります。
ただし、実際の開花時期は、気温、日当たり、土壌、水分、栽培地域によって前後します。高温期に種をまく場合は、土が極端に乾燥しないように注意してください。
種まき時期を少しずつずらすと、開花時期にも幅ができ、より長く花を楽しみやすくなります。
コスモスは直まきできる?
コスモスは、花壇や畑へ直接種をまく「直まき」で育てられます。
花壇で数株を育てる場合は、一定の間隔をあけて数粒ずつまく点まきが適しています。
休耕地や広い空き地をコスモスで彩る場合は、栽培する面積に合わせて種子量を計算し、全体へできるだけ均一にまきます。
コスモスは直根性で、根が地中へまっすぐ伸びる性質があります。直まきにすると、苗を移植する際に根を傷める心配がなく、そのまま生育させることができます。
コスモスを直まきする方法
1.日当たりのよい場所を選ぶ
「センセーション混合」は、日なたから半日陰で育てられます。
ただし、草丈が約1mになる高性品種のため、できるだけ日当たりのよい場所を選ぶと、しっかりとした株に育ちやすくなります。
周囲の建物や樹木によって長時間日陰になる場所は避けましょう。
また、雨が降った後に長時間水が残る場所では、発芽や生育が不安定になる場合があります。水がたまりやすい場所では、あらかじめ排水の状態を確認してください。
2.雑草を取り除き、土を整える
種をまく前に雑草や石を取り除き、土の表面を耕して整えます。
雑草が多く残ったまま種をまくと、発芽したコスモスが雑草に覆われることがあります。
特に休耕地や空き地では、コスモスの種をまくだけではなく、事前の草刈りや耕起が重要です。
土の塊が大きい場合は細かく砕き、種が土となじみやすい状態にします。
3.15cmほどの間隔で種をまく
花壇へ直まきする場合は、15cmほどの間隔をあけ、1か所に3~5粒ずつ種をまきます。
深さ約1cmの穴を作り、種を入れた後に周囲の土を戻します。
ここでいう約1cmは、種を入れる穴の深さの目安です。種の上に厚く土を積み重ねる必要はありません。
土を厚くかぶせすぎると、土の中の酸素が不足し、発芽しにくくなる場合があります。種が土の中に収まる程度に土を戻してください。
4.種まき後はやさしく水を与える
種をまいた後は、種と土をなじませるように水を与えます。
勢いよく水をかけると、種や土が流れてしまうことがあります。ジョウロの細かいはす口などを使い、やさしく水をかけましょう。
発芽して本葉がしっかり出るまでは、土を極端に乾燥させないことが大切です。
一方で、水がたまった状態が続く場所は避けます。
広い場所へ種をまく方法
休耕地や広い空き地へ種をまく場合は、一か所ずつ点まきするのではなく、栽培する場所全体へ種をまきます。
広い面積では、種が一部に集中したり、ほとんどまかれていない場所ができたりしやすいため、播種むらを防ぐ工夫が必要です。
面積をいくつかに分ける
栽培する場所をいくつかの区画に分け、区画ごとに必要な種子を取り分けます。
例えば、1,000平方メートルの場所であれば、100平方メートルずつ10区画に分け、それぞれに必要な量をまくと、全体へ均一に配分しやすくなります。
種子を均一にまく
コスモスの種子だけでは均一にまきにくい場合は、乾いた砂など、種まき後に支障のない増量材と混ぜて散布する方法があります。
種が一か所に固まらないよう、歩く方向を変えながら複数回に分けてまく方法もあります。
種をまいた後は、種が地表へ露出したままにならないよう、熊手などで表面の土と軽くなじませます。
深く耕し直すと種が深く入りすぎるため、表面を軽く動かす程度にします。
広い場所へまく場合の種子量
景観用「センセーション混合」は、1Lで約300平方メートルにまける量が目安です。
面積別に必要な種子量を換算すると、次のようになります。
100平方メートルの場合
約0.33L
300平方メートルの場合
約1L
500平方メートルの場合
約1.7L
1,000平方メートル(10a)の場合
約3.3L
3,000平方メートル(30a)の場合
約10L
※1L当たり約300平方メートルとして計算した目安です。
実際に必要な種子量は、播種方法、圃場の状態、雑草の多少などによって変わる場合があります。種が一部に集中しないよう、栽培する場所をいくつかの区画に分け、区画ごとに種子を取り分けてからまくと、全体へ均一に配分しやすくなります。
実際の播種にあたっては、商品袋に記載された播種量を優先してください。
発芽後は間引きをする
1か所に3~5粒ずつまいた場合は、発芽後に苗が混み合います。
本葉が3~4枚になった頃を目安に、混み合った苗を間引きます。
苗同士が密集したまま育つと、日当たりや風通しが悪くなり、茎が細く伸びることがあります。
極端に弱い苗や傷んでいる苗を取り除き、生育するための間隔を確保します。
ただし、「センセーション混合」は、赤、桃、白色など複数の花色が含まれた種子です。
花色によって発芽や初期生育の早さに差が出る場合があります。早く発芽した苗や、大きく育った苗だけを残すと、咲いたときの花色が偏る可能性があります。
一度にすべて間引くのではなく、苗の状態を見ながら段階的に調整するとよいでしょう。
肥料は土の状態を見て判断する
コスモスは、比較的丈夫で育てやすい草花です。
もともと畑として使われていた場所や、前作の肥料分が残っている場所では、追加の肥料が多すぎると茎葉が旺盛に伸びることがあります。
「センセーション混合」は草丈が約1mになる品種です。茎葉が伸びすぎると、風雨によって倒れやすくなるため、肥料を一律に多く与えるのではなく、土の状態を確認して調整してください。
実際の施肥量は、商品袋の説明や使用する肥料の表示に従ってください。
草丈が高くなりすぎるのを防ぐには
「センセーション混合」は、もともと草丈が約1mになる高性品種です。
草丈が高くなりすぎたり、茎が弱くなったりするのを防ぐには、次の点に注意します。
・できるだけ日当たりのよい場所で育てる
・苗を密集させたままにしない
・土の状態を見ずに肥料を多く与えない
・咲かせたい時期に合わせて種をまく
・風の強い場所では早めに支柱を準備する
早い時期に種をまくと、生育期間が長くなり、草丈も高くなりやすくなります。
秋の開花を目的とする場合は、開花までに必要な60~90日を目安に、極端に早まきしないことも一つの方法です。
ただし、遅くまきすぎると十分に開花しない場合があるため、地域の気温や初霜の時期も考慮してください。
休耕地や空き地で育てる際の注意点
コスモスは、遊休農地や休耕地などの景観づくりにも利用されています。
ただし、種をまくだけで必ず一面のコスモス畑になるわけではありません。
特に重要なのが、種まき前の雑草対策と、圃場の排水確認です。
雑草を減らしてから種をまく
雑草が多い場所では、コスモスが発芽しても、雑草に覆われて生育できないことがあります。
種まき前に草刈りや耕起を行い、コスモスが発芽しやすい状態をつくります。
多年生雑草の根や地下茎が多く残っている場合は、地上部を刈った後も再生することがあります。
発芽後も、コスモスの苗が小さいうちは周囲の雑草を確認してください。
排水を確認する
休耕田などでは、雨の後に水がたまることがあります。
種まき前に、水のたまりやすい場所や排水口を確認します。必要に応じて排水溝を設け、水が圃場外へ流れる状態にしておきます。
種まき後の天候を確認する
発芽するまでは適度な水分が必要ですが、強い雨の直前に種をまくと、種や表面の土が流される場合があります。
一方、種まき後に乾燥した日が続くと、発芽が揃わないことがあります。
天気予報を確認し、種まき直後に極端な大雨や乾燥が予想される日は避けるとよいでしょう。
コスモス栽培でよくある失敗
種をまいても発芽しない
気温が低い、土が乾燥した、土を厚くかぶせすぎたなどの原因が考えられます。
発芽適温となる15~25℃程度を目安に種をまき、発芽して本葉がしっかり出るまでは土を極端に乾燥させないようにします。
発芽がまばらになった
種が一部に集中した、種まき後に大雨で流された、場所によって土の乾き方が違ったなどの原因が考えられます。
広い場所では面積をいくつかに分け、区画ごとに必要な種子量を配分すると、播種むらを減らしやすくなります。
雑草に覆われてしまった
休耕地や空き地では、コスモスより雑草の生育が早い場合があります。
種まき前に雑草を減らし、発芽後も苗が小さいうちは周囲の状態を確認してください。
草丈が高くなり、倒れてしまった
「センセーション混合」は草丈が約1mになる品種です。
苗の密集、日照不足、土の肥料分が多いことなどが重なると、茎が細くなり、倒れやすくなる場合があります。
間引きを行い、必要に応じて支柱を立てます。
花色が偏った
混合種子では、花色によって発芽や初期生育の早さに差が出る場合があります。
発芽の早い苗や大きな苗だけを残すと、開花時の花色が偏る可能性があります。間引きの際は、生育の早さだけで残す苗を決めないようにします。
思った時期に花が咲かない
開花までの日数は、気温や栽培条件によって変わります。
「種まき後60~90日」は目安として考え、咲かせたい時期より少し余裕を持って種をまきましょう。
遅まきでは、十分に開花しなかったり、花数が少なくなったりする場合があります。
コスモス「センセーション混合」の種子を販売しています
「地方のタネ・暮らしのタネ」では、コスモス「センセーション混合」の種子を販売しています。
花壇や庭、畑の一角、休耕地など、種をまく面積に合わせてお選びください。
※種まき時期、播種量、開花時期は、地域、気温、土壌、栽培条件によって異なります。実際の栽培では商品袋の表示を優先してください。
