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2024.08.02 加賀野菜

源助大根について:石川県の伝統野菜、その魅力と栽培方法

源助大根とは?

源助大根(げんすけだいこん)は、石川県金沢市を代表する伝統野菜の一つです。白く太い根と緻密な肉質が特徴で、一般的な大根よりも短く、やや丸みを帯びた形をしています。その特徴的な外見と風味から、地元の食文化に深く根付いています。

歴史と文化

大根の原産地については諸説ありますが、日本へは中国から伝わったとされています。『古事記』には「青白」の名で記述があります。源助大根は、金沢市打木町の松本佐一郎氏によって育成されました。

松本氏は昭和7年に、愛知県の井上源助氏が宮重大根系統から早生種で生育の旺盛な切太系を固定したものを導入しました。この大根が在来の練馬系打木ダイコンと自然交雑し、毎年選抜を繰り返すことで、昭和17年に現在の源助大根が完成しました。昭和26年からは、スイカやカボチャの後作として栽培され、昭和33年にはスプリンクラー施設の導入により、本格的な栽培が始まりました。

栄養と健康効果

源助大根は、ビタミンCや食物繊維を豊富に含んでおり、免疫力を高め、消化を助ける効果があります。また、低カロリーであるため、ダイエットや健康維持にも適しています。特に冬の寒い時期に収穫される源助大根は、風邪予防や美容にも良いとされています。

栽培方法

1. 土作り

源助大根は、水はけの良い砂質土壌を好みます。畑に適した土を用意し、有機肥料を混ぜ込んでおくと良いでしょう。土のpHは6.0~6.5が適しています。

播種の7〜10日前までに圃場全体を十分に灌水し、基肥を全面施用して耕起します。乾燥した土壌は一度耕起してから灌水し、下層まで確実に水を浸透させます。耕起深度は30cm程度とし、必要に応じて高畝にします。

2. 種まき

源助大根は早生種で、中間地での播種の適期は9月1日~20日頃です。適期播種を心がけ、必要であればテープシーダー播種機を使い条間30cmの2条播き、株間32cmを目安に1か所に2~3粒播きます。覆土は種子の直径の3倍にあたる1cm程度とします。

3. 間引きと追肥

播種から2週間経過した頃(本葉3~4枚時)に生育不良株等を除去し、圃場全体の生育を揃えるために間引きを行います。間引き後、株周りに追肥を施用し、播種から25~30日経過した頃から10日おきに追肥を行います。

4. 水やり

灌水は露地栽培ではスプリンクラー、ハウス栽培では頭上灌水設備を用いて早朝に行います。本葉4~5枚以降は根が深く張り、乾燥に強くなるため徐々に灌水量を減らします。

5. 収穫

播種から約60日で収穫が可能です。試し掘りを行い、重量が1kg以上の大きいものから順次収穫します。収穫後、葉と根の先端を切り落とします。収穫適期が短い品種なので適期収穫を心がけましょう。

美味しいレシピ

源助大根は、様々な料理に利用できます。以下は、その代表的なレシピです。

  • 大根ステーキ:厚切りにした大根をじっくりと焼き上げ、バターと醤油で味付けするシンプルながら絶品の一品です。
  • おでん:源助大根はおでんに最適です。大根の甘みが出汁と絡み合い、ほくほくとした食感が楽しめます。
  • ふろふき大根:茹でた大根に味噌を添えていただく料理で、素材の味を存分に楽しめます。
  • ぶり大根:ぶりと一緒に煮込むことで、大根に魚の旨味が染み込み、深い味わいが楽しめます。

その他の美味しいレシピについては、こちらを参考にしてください。

まとめ

源助大根は、その美味しさと栄養価の高さから、石川県を代表する伝統野菜として愛されています。栽培も比較的簡単で、家庭菜園で楽しむことができます。ぜひ、源助大根を取り入れた料理で、健康と美味しさを楽しんでみてください。

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