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2024.11.08 コラム

冬の風物詩「ハクサイを縛る」理由と美味しさの秘密

冬の鍋料理に欠かせない野菜「ハクサイ」。寒い季節の畑に行くと、ハクサイがしっかりと紐で縛られている姿を目にすることがあります。この作業には、寒さから守るための大切な理由があるのをご存知でしょうか?

なぜハクサイを縛るのか?

ハクサイを紐で縛るのは、寒さや霜の影響から守るためです。冬の冷え込みが厳しくなると、霜によって葉が傷んでしまう「霜枯れ」が発生することがあります。これを防ぐため、外葉でハクサイを包むようにして保温効果を高めているのです。出荷前にはこの外葉を取り除くことで、綺麗な状態で出荷が可能になります。

寒さに耐えるハクサイの工夫

ハクサイは冷え込む季節に備えて、葉の枚数を増やし、葉の間に空気の層を作ることで自ら防寒対策をしています。この空気の層は、人間のダウンジャケットのように保温効果を高め、寒さから守る役割を果たします。

また、寒さが適度であるとハクサイは内部のでんぷんを甘い蔗糖(しょとう)に変える性質があり、これにより味が良くなります。寒さが増すほど甘みが引き立つハクサイは、鍋料理にぴったりの美味しさを生み出します。

時代と共に変わる栽培方法

最近では、紐で縛らなくても葉が自然に巻きやすい品種も開発されています。大きな産地ではこういった品種を導入し、栽培の手間を減らす取り組みも進められています。さらに、現代ではビニール紐などが主流ですが、かつては藁が使用されていたため、地域によっては今も伝統的な栽培方法が残っていることもあります。

ハクサイの魅力を引き出すために

寒さによって甘みが増し、食感も柔らかくなる冬のハクサイ。そのまま鍋に入れると、鍋のうま味がぐんぐん吸収され、絶妙な味わいが楽しめます。旬のこの時期にしか味わえない冬のハクサイを、ぜひお楽しみください。