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2025.01.30 加賀野菜

加賀太胡瓜:石川県の誇る伝統野菜、その魅力と栽培のポイント

石川県の伝統野菜のひとつ 「加賀太胡瓜(かがふときゅうり)」。
一般的な胡瓜とは異なり、ずんぐりとした太い形が特徴的で、シャキッとした食感とほんのり甘みのある味わいが魅力です。
古くから加賀地方で親しまれ、現在も地元の食文化を支える貴重な品種です。
本記事では、加賀太胡瓜の特徴や栽培のポイント、美味しい食べ方をご紹介します。

加賀太胡瓜とは? 伝統が息づく太く短い胡瓜

加賀太胡瓜は、果長22〜27cm、果径6〜7cmの 白いぼ系の太キュウリ で、1果の重さが600gにもなります。
肉厚ながらも柔らかく、日持ちの良さも特徴のひとつです。
一般的な胡瓜に比べて独特な歯ごたえとジューシーな食感を楽しむことができます。

加賀太胡瓜の歴史

加賀太胡瓜のルーツは昭和11年に遡ります。金沢市久安町の篤農家・米林利雄氏が、縁故のあった福島県の農家から短太系きゅうりの種を譲り受けて栽培したことが始まりとされています。
その後、地元の加賀節成キュウリとの自然交雑を経て、昭和27年頃に現在の「加賀太胡瓜」の形が完成したと言われています。

加賀太胡瓜の栽培ポイント

1.適した栽培時期と発芽温度

  • 播種適期:4月~6月
  • 発芽適温:25~30℃
  • 定植時期:5月~7月
  • 収穫時期:6月~9月

2. 整枝管理と摘心

主枝に雌花の着性が弱いので本葉4枚の時に親づるを摘心し、子づる2本を伸ばす。樹勢の維持のため子づるの6節までの側枝は早めに摘み取り、以後の側枝は1葉残して摘心する。子づるは15~20節で摘心し、着果は2~3節に1果つけるようにする。

3. 日照と温度

加賀太胡瓜は日照と温度に敏感です。十分な日光を受ける場所で栽培し、適切な温度を保ちましょう。

4. 水やりと肥料

【水やり】
胡瓜は水を好みますが、過剰な水やりは根腐れの原因となります。土が乾いたら適度に水を与えてください。
【肥料】
肥沃な土壌に植え、成長期には適切な肥料を与えましょう。

4. 病害虫対策

  • 風通しを良くし、うどんこ病やアブラムシの発生を防ぐ。
  • 黄色の粘着シートを使うことで、害虫の被害を軽減可能。
  • 早めの摘心を行い、病気が発生しにくい株の状態を維持しましょう。

加賀太胡瓜の美味しい食べ方

加賀太胡瓜は、肉厚でジューシーな食感を活かした料理がおすすめです。

  • 青煮(ひすい煮)
    加賀の伝統料理のひとつ。皮をむいて3cm角に切り、種を取り除いた後、出汁に砂糖を加えて軽く煮ると、淡い緑色が美しい翡翠のような仕上がりになります。
  • 酢の物
    皮をむいて短冊切りにし、薄い塩水に浸して水気を絞った後、三杯酢で和えればさっぱりとした夏向きの一品に。
  • 浅漬け
    軽く塩をまぶして浅漬けにすると、パリッとした食感と自然な甘み を楽しめます。

加賀太胡瓜を家庭菜園で育ててみよう!

加賀太胡瓜は、夏の高温にも負けず育てやすい品種です。
そのため、家庭菜園でも比較的育てやすく、ジューシーな食感と甘みを自宅で楽しむことができます。
また、石川県の伝統野菜を守る一歩として、加賀野菜を育てることは地域の食文化の継承にもつながります。ぜひ、家庭菜園の一品に加賀太胡瓜を加えて、石川県の伝統の味を楽しんでみませんか?

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