Introduction
「加賀白菜」の特集です。
歴史や栽培特性などを深掘りしていきたいと思います!
加賀白菜の歴史
白菜は日露戦争に従軍した日本の兵士が中国大陸で食べ、その味に感心したことから伝来したと言われており、明治時代に普及した歴史の新しい野菜である。
当初、日本に伝わった白菜は球にならない品種が普通でした。
これをもとに、宮城県の渡辺氏、愛知県の野崎氏と石川県の4代目松下仁右衛門の民間人3人が同時期に揃って白菜の研究をはじめたと言われており、それぞれ晩生・中生・早生系の日本を代表する3大品種を作り出しました。
日本で同時期に生まれた3種類の白菜のうち、晩生系の加賀白菜は他の2品種に比べ、巨大で甘みが強く、歯切れが良好だったことから、全国的にも作付けが大きく評価の高い白菜でした。
しかし、核家族化が進んだ昭和40年代中頃から、「加賀白菜では大き過ぎる」という市場の需要の変化に押され中型の白菜へと産地がシフトしていきました。
やがて加賀白菜は、揃いが良く耐病性に優れ輸送席にも富むF1種(交配種)に押される形で、昭和50年代には関西への出荷もなくなり地元消費だけの品種となってしまいました。
- 加賀白菜(松下良撮影)
加賀白菜の品種特性
加賀白菜は、他の白菜と比べて大きく、甘みが強いのが特徴です。
葉が厚くて柔らかく、1個が4~6㎏にもなる大型はくさいです。
また冬の寒さに耐え2月頃まで日持ちし長期間保存できる点も評価されています。
やわらかく歯切れの良い品種のため漬物や煮物、生食にも最適です。
栽培のポイント
●極端な早まきはウイルス病や軟腐病の原因となるため適期播種を心がける。
●根こぶ病の耐病性はないため、発生のみられる畑では、根こぶ病予防薬剤を使用する。
●定植後2週間後と結球前の2回追肥を施す。
●播種後75日~球がしまり硬くなったころから順に収穫する。
調理方法とレシピ
【加賀白菜の漬物】
《材料》
加賀白菜、塩、昆布、唐辛子
《手順》
加賀白菜を洗い、適当な大きさに切る。
ボウルに白菜を入れ、塩をまぶして重しをして一晩置く。
翌日、出てきた水を捨て、昆布と唐辛子を加え、さらに数日漬け込む。
味がなじんだら、取り出して完成。
【加賀白菜と豚肉のミルフィーユ鍋》
《材料(4人分)》
加賀白菜: 1/2個
豚バラ肉: 400g
生姜: 1片(千切り)
だし昆布: 10cm
水: 800ml
醤油: 大さじ2
みりん: 大さじ2
酒: 大さじ2
塩: 少々
ごま油: 小さじ1
青ねぎ: 適量(トッピング用)
《手順》
(1)下ごしらえ
加賀白菜を洗い、葉を一枚ずつ剥がす。
豚バラ肉を3cm幅に切る。
鍋に昆布を敷き、加賀白菜と豚肉を交互に重ねて鍋に並べる。
(2)煮込み
鍋に生姜、醤油、みりん、酒、塩を加え、水を注ぐ。
中火で煮立たせ、アクを取りながら15分ほど煮込む。
(3)仕上げ
ごま油を加えて風味をプラスし、最後に青ねぎを散らして完成。
(4)ポイント
白菜と豚肉を重ねることで、旨味がしっかりと染み込みます。
昆布だしと生姜で風味豊かに仕上げた鍋は、寒い冬にぴったりの一品です。