Introduction
私たちの地元の伝統野菜である「加賀野菜」について特集します。
知られざる歴史や特徴にスポットライトを当ててみたいと思います。
加賀野菜とは何か
加賀野菜を定義すると「昭和20年以前から栽培され、現在も主として金沢で栽培されている野菜」。
現在、金沢市農産物ブランド協会では15品目の野菜が認定されています。
・さつまいも
・加賀れんこん
・たけのこ
・せり
・加賀太きゅうり
・ヘタ紫(むらさき)なす
・金時草(きんじそう)
・加賀つるまめ
・源助(げんすけ)だいこん
・打木赤皮甘栗(うつぎあかがわあまぐり)かぼちゃ
・金沢一本太ねぎ
・二塚(ふたつか)からしな
・赤ずいき
・くわい
・金沢春菊(しゅんぎく)
加賀野菜の歴史
昭和30年代以降、高度経済成長により都市部に人口が集中し、その需要を満たすため野菜の大量生産が必要となりました。
結果、多くの野菜が病気に強く栽培しやすく、また、形が均一で運搬しやすい交配種となり、品種の単純化が進みました。
※F1種(交配種)が全国に普及したのは昭和40年代
一方で、地方在来種(固定種)はF1種(交配種)に比べ、病気に弱く形も不揃いで見た目や日持ちも良くないことから、市場から固定種が淘汰されていきました。
このままでは地方古来の野菜が消滅してしまうと危惧した松下種苗店5代目の松下良は金沢の育んだ食文化を守ろうと動き出し、平成元年(1981年)のころまずは金沢市地場産物生産安定懇話会を構想します。
平成2年に松下良がこの金沢市の地場伝統野菜を「加賀野菜」と命名しました。
ここから「加賀野菜保存懇話会」を生産者5名、市場流通2名、経済連1名、外食関係(料亭、ホテルなど)5名で発足させました。
はじめは行政関係者はいなかったものの、加賀野菜の保存と振興の重要性などから平成9年に金沢市農産物ブランド協会が設立され、流通業界、消費者、農業団体、生産者、行政が一体となり、現在まで運営されています。
加賀野菜の特徴
加賀野菜は地元の文化や伝統的な料理に深く関わっており、特にお正月やお祭りなどの行事食としても重要な役割を果たしています。
最近は観光客に人気が高く、伝統的な食文化とともに魅力が再認識され広く普及しています。
美味しいレシピなどは金沢市農作物ブランド協会のホームページにも詳しく載っています。
松下種苗店5代目松下良が執筆した「加賀野菜それぞれの物語」という本もありますのでご興味ある方は是非手に取って読んでみてください。